StudioASPが取材した音楽スタジオ・インタビュー特集(全66回・2014年3月〜2019年10月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

音楽スタジオファイル Vol.36

荻窪 Studio Revival

Studio Revival について
2012年にオープンした荻窪駅南口の音楽リハーサルスタジオ。系列として幡ヶ谷にCLUB HEAVY SICK、中野にheavysick ZEROを運営。バンド、DJ、ダンス練習にも対応した全5部屋は、各部屋に合わせて音質調整され、音が聴きやすく練習しやすいスタジオ設計。雰囲気の良いウッディーなロビーにはリペアブースを併設し、楽器の修理やメンテナンスにもその場で対応が可能(リペアのみの利用もOK)。音楽活動に関わる様々なことを、身近に丁寧にサポートし、誰もが気軽に立ち寄って音楽できる、地域に根ざしたホームスタジオを目指す。
Studio Revival お問い合わせ
Studio Revival公式サイト
杉並区荻窪5-30-5 大国ビルB1
TEL 03-6279-9113
営業時間: 12:00〜24:00(月〜金) / 10:00〜24:00(土・日・祝) ※24:00以降も予約受付可能
Studio Revival

音楽スタジオの中の人に話を聞いてみた〜 Studio Reviva 編

このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして、色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

Studio Revivalスタッフ・エンジニア 金子隆次氏

本日は荻窪Studio Revival、オーナーの岡田さん、スタッフ兼エンジニアの金子さんにお話をお伺いします。まずはオープンまでの経緯をお聞かせください。

岡田弊社は系列にライブハウスがあるのですが、もっとバンドさんやアーティスト同士が繋がるような店を作ろうと、2012年にここStudio Revivalをオープンしました。

金子さんがStudio Revivalに入った経緯を教えてください。

金子僕は、その系列ライブハウス『heavysick ZERO』の店長兼音響でしたが、エンジニアの技術があるのと楽器リペア等が出来るということで、Revivalの立ち上げから参加しています。

ライブハウスとスタジオでは(エンジニアの技術的に)少し違う部分もありませんでしたか?

金子はい、そのあたりはスタジオのコンサルティングの方がいたので、部屋の設計等は教わりつつやっていました。

スタジオのサウンド的な特徴などを教えてください。

金子各部屋にグラフィックイコライザーを入れています。これによってハウリングを調整できるので、聴きやすい音のまま音量を上げられるようにしました。周波数のピークは各部屋ちがうので、各部屋に合わせて調整し、どの部屋も練習しやすい音環境になっています。

エンジニアならではのアイデアですね。

金子ライブハウスの大音量でPAをやっていたので、スタジオにも絶対にグライコは必需品だと思っていました。

「こんな音楽不況時によくぞ…」と言われた

オーナーの岡田さんにお伺いします。2012年のオープンとなると比較的新しいスタジオです。都内のリハーサルスタジオも飽和状態だったのでは?

岡田そうですね。「こんな音楽不況時に、よくぞ店を出したな」と言われます。

なにか経営的に勝算があってのオープンだったのか、そのあたりお伺いしてもよいですか?

岡田常に新しいことを考えるのも必要ですが、実際、まったく新しいことで成功するのってすごく難しいじゃないですか? しかも、この音楽業界では尚更のこと。だから、今まであったスタンダードな部分を広げて丁寧に仕事をしつつ、新しいことも考えていこうと思いました。

なるほど、スタンダードな部分について具体的に教えてください。

岡田うちのスタジオだったら、レコーディングや楽器のリペアを、より身近に、いかに丁寧にサービスするか、外部への機材レンタルの際、どれだけ細かく要望に対応できるか、などがポイントになります。

基本サービスの大事なところですね。

岡田「新しさ」以上に、スタンダードなことを丁寧に維持することの方がより大事なことなんです。おかげさまで、音に関しては評判も良く、リペアマンがいるので、楽器をその場で直せたり、ちょっとしたレコーディングにも対応できたり、まんべんなく、バンドさんのニーズに対応できる環境がそろってきました。

リペアブースで楽器をその場で修理&メンテします

スタジオには珍しくリペアブースがありますね。楽器の修理もお願いできるのですか?

金子はい、僕が楽器修理もできるので、ロビーのリペアブースでお客様の楽器をその場で楽器修理メンテナンスができます。明日がライブという急ぎの案件など、けっこう需要があるんですよ。

それはうれしいです! スタジオを使わなくてもリペアだけでもお願いできますか?

金子もちろんです。外部の依頼でも対応しています。弦交換、調整、ネック折れ、フレット交換、エフェクターの断線や回路の不具合、そしてアンプの修理などなど、おおよそのことは対応できますよ。

それは相当に助かります。リハーサル中に、楽器がうんともすんとも言わなくなることは多いですから。

金子ずっと楽器業界にいましたのでおまかせください。ここでは対応できないような壊れ方もありますが、ドラム専門、リペア専門と楽器関連のネットワークがあるので、その都度確認し、僕も常に勉強しています。

つぎに、エンジニアの金子さんの事についてお伺いします。金子さんと音楽との出会いについてお聞かせください。

金子父親が洋楽好きで、ラジカセとハードロックなどが録音されているカセットテープを大量に受け継いで聴いていました。小学生の高学年頃からですかね。

ハードロックのカセットテープ! 中身が気になります。

金子マイケル・シェンカーとかディープパープルでした。中学になると、周りではX JAPANなどが流行ってたんですけど、僕は洋楽でしたね。そのうちに、自分でもギターを弾くようになり、高校卒業後は音楽の専門学校ESPのギタークラフト科に行いきました。

音響やエンジニアコースでなく、楽器製作のコースだったのですね。

金子当時、同級生のお兄さんがギタークラフト科にいまして、『こういう仕事もあるのか』と興味がわいて、僕もギタークラフト科を選びました。

専門学校では音響、エンジニアを学ぶ授業もあったのですか?

金子いえ、音響関連については専門学校では学んでいません。卒業後もESPで楽器を作ったり、修理したり、教えたり、という仕事をしていて、大きなステージに同行させてもらうなど色々な経験もさせてもらいました。その後、ESPを退職し『heavysick ZERO』に入って、そこではじめて音響をやりました。

音響関連の技術は現場で学んだのですね。

金子はい、音響に関する専門知識はありませんでしたが、当時、ハコにしっかりとした音響システムがなかったので、テコ入れしつつ、どうやったら音が良くなるか、という部分を一緒に勉強しました。

ところで、金子さん自身はバンド活動などはやっているのですか?

金子バンドは趣味程度でした。僕にとっては、楽器を作る方が楽しくて、実際に自分で弾くというのは、どんどん少なくなりましたね。毎日、仕事でギターを眺めていると、家に帰ってまで触るのはちょっと…(笑)。

職人的なことが向いているのですね。

金子昔から機械や物をいじるのが好きだったんです。ライブハウスでは音響をやりつつ店長もやっていましたが、こっち(スタジオ)の方をまとめてくれないかという話が来たので、創設メンバーとして共に立ち上げに参加して、現在に至ります。

Studio Revivalの将来的なビジョンや目標について教えてください。

岡田2駅隣くらいまでのエリアにおいて「地域に特化したスタジオ」となることですね。うまく地域に根ざせば実現できるはずだと思っています。

地域に特化したスタジオ、というのは?

岡田これは店を出すまで気付かなかったのですが、その地域に住む地元の方の利用の方が多かったのには驚きました。一般の方にとって、スタジオっていうのはコンビニと同じような感覚らしくて、好きな時に行きやすい所に行く、みたいな使い方なんですね。

最初はライブハウス方面からのバンドマンの利用を想定していたのですね。

岡田はい、ライブハウスとは関係ない、学生や年配の方も多数いらっしゃって、しかもレベルの高い事をやっていたりするんです。現状、中央線沿線、新宿、渋谷あたりは飽和状態ですが、他にも都内にはいくらでも街があるので、各街に特化したスタジオを作れば、まだまだいけると思います。

競争、というよりも共存共栄を目指した方がいい

スタジオをオープンして手応えを感じている?

岡田はい。まあ、それでも、厳しいのは厳しいけどね(笑)。20年ぐらいこの業界にいる経験から、というか個人的な感覚ですが、今後は昔みたいな(音楽業界の)盛況ぶりは望めないと思います。それでも、近年が大底な気がしています。震災のあった頃から少し戻りつつありますよね。

はい、いわゆる音楽バブル最盛期が異常な状態だったと思います。

岡田ですよね。だから、業界をもう一度盛り上げるためにもこれからは、(スタジオ同士)競争というよりも共存共栄を目指した方がいいんじゃないですかね。大手さんは、大手さん同士でがんばって競争していただいて(笑)。うちみたいな5〜10部屋ぐらいの小さなスタジオは互いに共存する道を選べばいいと思います。実際に他のスタジオやライブハウスとつながってのイベントも開催しています。

利用者にとっても使いやすいスタジオが自分の街にあったらうれしいですね。

岡田はい、地域に特化して根付かせるためにもサービスの質の部分はしっかりとケアしながら、金子に相談しつつ、新しいアイデアを少しずつ出して実現させたいです。

それでは最後に、Studio Revivalからのメッセージをお願いします。

金子音楽活動、バンド活動をしていく上で、かゆい所に手が届くようなスタジオであるよう心掛けています。規模は小さいですけど、その分、小回りが利くようになっています。あとは、若いスタッフを育てて、いかなる時でも対応できるスタッフが増えるようにしていきたいです。

岡田 どんな立場の方でも、音楽に簡単に携わってもらえるような、気軽に立ち寄ってもらえるスタジオを作りたいと思っているので、ぜひ気軽にいらしてください。

本日は貴重なお話をありがとうございました。 

インタビュー&ライター 浅井陽(取材日 2016年10月)

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荻窪駅南口(杉並区)
新宿からJR中央快速で9分、阿佐ヶ谷と西荻窪の間にある杉並区の駅。JR線・東京メトロ丸ノ内線が乗り入れる。西口改札と東改札があり、北口(杉並公会堂方面)と南口に出口を配置。Studio Revivalへは南口を出て「仲通り商店街」に入り、1つめのT字路(薬局の角) を左折、やきとり扇屋の地下、徒歩2分。
中野heavysick ZERO
中野heavysick ZERO
B1メインフロアとB2ラウンジの2フロアで、バンド・DJ・ダンス、DAYからオールナイト、幅広いサウンドとスタイルに対応し、多様な音楽カルチャーを発信するクラブ/ライブハウス。中野駅北口徒歩8分、早稲田通り沿いに2002年オープン。荻窪の音楽スタジオ「Studio Revival」系列店。