StudioASPが取材した音楽スタジオ・インタビュー特集(全66回・2014年3月〜2019年10月)のアーカイブです。掲載情報は取材当時のものです。

音楽スタジオファイル Vol.38

サウンドスタジオ NOAH恵比寿

NOAH恵比寿店について
恵比寿駅東口から徒歩2分の好立地に2016年11月7日オープン。B1F〜4Fに全13部屋(Cst・E1stは5帖のサブルーム付き)を揃えた音楽スタジオビル。ノア・クオリティの快適さと選べる多様なブランドラインナップ、社会人の方が仕事帰りに立ち寄れるようレンタル機材も充実させる。ギターキッズ憧れのFender USAの導入を皮切りに、続々とテンションのあがる楽器を準備中とのこと。住みたい街ランキング首位に浮上した「恵比寿」がバンドリハーサルも熱い音楽エリアへと進化する。
NOAH恵比寿店お問い合わせ
サウンドスタジオノア恵比寿店公式サイト
渋谷区恵比寿4-4-12
TEL:03-5447-6066
受付時間:24時間

音楽スタジオの中の人に話を聞いてみた〜 スタジオノア恵比寿店 編

このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして、色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

サウンドスタジオノア恵比寿 店長 門馬宮仁

本日は、2016年11月に新規オープンしたサウンドスタジオノア恵比寿店の店長、門馬さんにお話をお伺いします。ますは門馬さんの事について教えてください。ノアに入られたのはいつ頃になりますか?

24歳の時に入りましたので、約10年前になります。最初は赤坂店にアルバイトで入ってから、店舗の立ち上げなどを担当したのち、池袋店で4年半ほど店長を務め、今回この恵比寿店に移りました。

池袋店に長くいらしたのですね。池袋店はどのような店舗でしたか?

全20部屋ある大きな店舗で、近隣に東京音大があったり、東京芸術劇場があったり、意外にクラシックに特化している街という側面があって、アコースティックのスタジオが半分(10部屋)ありました。様々なスキルが求められる店鋪なので、4年半やれたことは良い経験になりました。

そしてこの度、満を持して、この恵比寿店にやってきたのですね。

はい、まさかの恵比寿でした(笑)。長い東京生活の中でも、1回ぐらいしか恵比寿には来たことがなかったんですよ。それで最初に聞いたときは正直、ほんとにそこにバンドする人がいるのか?という素朴な心配がありました。

恵比寿は調べるほど面白い街、ワクワクしています

恵比寿駅には楽器を持っている人も目立ちましたし、住宅街として人気ですがライブハウスやライブバーも多いですよね。

そうなんですよね。調べれば調べるほど面白い街だなと思って、ワクワクしています。

恵比寿駅の近くにこの音楽スタジオビルができて、バンドも盛り上がるエリアになりそうですね。では次に、門馬さんの学生時代の話を聞かせてください。

幼稚園からずっとサッカー少年でしたね。中学時代にJリーグが始まって、神奈川県の生まれなのでヴェルディやレイソルなどジュニアユースの試験も受けました。

高校もサッカー方面で進学したのですか?

いえ、残念ながら中学の終わり頃に伸び悩んだこともあって、サッカーは辞めて高校の部活はテニス部に入りました。高校時代はX-JAPANLUNA SEA黒夢などが盛り上がっていた時代で、自分もV系バンドにハマっていました。

それで音楽の方向に進むのですね。コピーバンドを組んだ?

そうしたいと思って、ギターに挑戦したのですが、やっぱりコードFで挫折するわけですよ。じゃあ次はベースだと。でベースをやってみるのですが、何の音が鳴っているのか全く聞こえない(笑)もう面白くなくて、その時は楽器演奏をあきらめました(笑)

高校卒業後はどうされたんですか?

児童教育系の専門学校に進学しました。そこで、バンドをやっているクラスメートに誘われてドラムをやってみたら、すんなりできちゃったんですよ。それで「あっ、バンドできる!」と思って(笑)それで専門学校時代はずっと、PUNKやメロコアのコピーバンドでドラムをやってましたね。

そのような専門学校があるのですね。なぜそちらの方に進んだのでしょうか?

もともと人と関わることや成長に向き合うような分野に興味がありまして。僕は4人兄弟の長男で、親戚もみんな年下だったので、そういう環境が影響したのかなあと。でも、専門時代はずっとバンドばかりやっていました。

最後に音楽の仕事に携わるチャンスだと思って応募した

専門学校卒業後の就職活動は?

就職活動らしきものは一切やらずに、本気のPUNKバンドのメンバー集め始めて、ちょっとずつバンド活動をすすめて、卒業後上京してバンド活動メインの生活をはじめてしまいました。

プロを目指して本格的に活動していたのですね。

でも、24歳ぐらいになって、そろそろまずいなと思いはじめて。ドラマーとして自分なりに壁にあたったんです。お酒が好きなので、飲んだくれてばっかりで、練習も好きじゃなかったので全然上手くならないですし(笑)

将来のことを考えはじめるわけですね?

はい、それで最後に音楽の仕事に携わるチャンスがあるならやってみようと、求人サイトに載っていたスタジオノアの求人に応募してみたのが、はじまりです。

そして、さきほどの赤坂店からのスタートにつながるわけですね。次に、音楽スタジオの現場について教えてください。

もう10年いるので体力的なハードさは感覚的に麻痺している部分もあると思いますが、やはり、お客さまに迷惑をかけて取り返しがつかなくなってしまった時は大変きついですね

それはどういう時ですか、具体的に教えてもらえますか?

例えば、リハーサル予約の日付が間違っていたときなど、あらかじめ何人ものメンバーと日程調整をして予約していただいているのに、ご希望に添えない日をつくってしまったりすることが一番キツイです。ちょっとメンタル的にやられますね。そうそう起きる事ではないですけどね。

なるほど。では、音楽スタジオの仕事をやっていてよかったと思うことは?

レコーディングなどで、お客さまがやりたいと思っていたことのお手伝いができた時や、(池袋店の頃)アコースティックのスタジオでは、コンクールや受験などで、全国からお客さまがいらっしゃるのですが、受験に合格した、コンクールで良い成績を収められたという話を聞くと、本当に良かったなと思いますね。

それは、うれしいですね!

あとは、お客さまのライブに行くといつもと全然違う顔を見られるのも面白いです。ウチを使ってリハーサルした集大成の素敵なライブを見ると、本当に感動します。毎回ちょっぴり泣いてます(笑)

新人スタッフの育成も仕事。 プラスの連鎖の発端でいたい

門馬さんは、店長兼リクルーターというポジションも担当されていますが、これは新人育成のようなものですか?

はい、新人スタッフのケアも行っています。この恵比寿店も、お店を盛り上げていって、他店鋪からスタッフのステップアップの場所としても使えるような状況をつくっていきたいというのがあります。

新人育成などバイトやスタッフの指導で気をつけていることは?

まず「やりがい」が優先だと思うんですよね。おもしろくないとできない仕事だと思うので、そこをしっかり教えたいです。そこさえしっかり指導すれば、その人が成長して同じように新人に教えて、プラスの連鎖が生まれると思うんです。そういうプラスの連鎖の発端でありつづけたいなと思います。

門馬さんが入った10年前と比べて、ここ最近スタジオノアが進化した、変わったことはありますか?

自分が入った頃くらいから、とくに接客サービスに力をいれはじめたという印象が強くて、そこはノアの強みでもあると思います。お客さまに対しての配慮やサービス面はたいへん進化していると感じます。また、機材は常に新しいものを入れれるように努めていますし、スタジオという空間の可能性を常に探求しています。

昔に比べると、他店を含む音楽スタジオ全体もサービスがよくなってますよね?

そうですね。今はバンドマンだけでなく、いろんな方が音楽をする機会が増えてきたので、ノアとしてはそういう幅広いニーズを掴んできたという自負があります。

音楽への関わり方が変化。それに合わせて仕掛けていく

10年近く、音楽スタジオの現場をみてきて、バンド、音楽人口の変化を感じるところはありますか?

それは感じますね。いわゆるバンドマン然とした方は減りましたが、逆に社会人の方の利用が増えてきました。全体的に音楽人口の勢いは以前ほどないのは現実ですが、音楽への関わり方が変わってきた面があると思います。それに合わせて、発破をかける、じゃないですが、こちらから仕掛けていく必要があると思います。

これから音楽業界(全体)どうすれば盛り上がっていきますかね?

最近思うのは、昔に比べて高校や大学の軽音楽部がすごく増えていて、しかもみんな上手なんですよね。若い子たちが音楽を楽しんで、それを友だちに拡散していってくれる機会をうまく作っていければいいんじゃないかなと思います。

それでは最後に、恵比寿店からのメッセージをどうぞ。

今回は、これまでのスタジオ・クオリティを踏襲しながらも、そこからさらに進化した面が随所にあるので、ぜひ体感していただきたいと思います。新しいチャレンジとして、ギター・ベースのレンタルがグレードアップしていまして、Fender USAを導入しました。

それは、すごいですね!

じつは提案したのは、自分なんですよ。今回、新たに恵比寿にスタジオを立ち上げるにあたって、社会人の方を中心に幅広い年齢層の方に利用していただきたいというのがあって、テンションがぐっと上がる提案をしたかったんです。アコギやエレアコもTaylorをはじめ、もっと高級な楽器も準備中ですので、ぜひHPやfacebookなどでチェックして下さい。

このロケーション、このスタジオでFender USAがレンタルできるんだったら、僕も来ちゃうかも(笑)本日はありがとうございました。

MUSIC-MDATA編集部(取材日 2016年11月)

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恵比寿駅
恵比寿駅
ビールの名前が地名になった街「恵比寿」。古くはビール輸送用の駅として開業し、発車メロディーはエビスビールのCMソングとしておなじみ『第三の男』。JR山手線、埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ日比谷線が乗り入れ、JR改札は東口(3階)と西口(1階)に設置。2016年「住みたい街ランキング」で吉祥寺をおさえ1位を初獲得。
Fender USA
レオ・フェンダー氏が1946年創業した、アメリカのギター、アンプメーカーの製品。ストラトキャスター、テレキャスターなど世界を代表するブランドのギターを開発し、多くの名曲、名演を生み出す元となった。日本国内でFenderというと、本社が製造ライセンスを与えたフェンダージャパン製の廉価なギターを示すことが多いので、本社アメリカ製のものをFender USAと言う。