音楽スタジオファイル Vol.56

URBAN FOREST STUDIO

五反田アーバンフォレストスタジオ
URBAN FOREST STUDIO について
2010年8月、作家・ミュージシャンでもあるオーナー下田義浩氏のプライベートスタジオとしてオープンしたコンパクトでアットホームなスタジオ。ProToolsHDX、アナログ&デジタルの各I/Oイクイップメンツを揃え、エンジニア付き5千円/1時間〜と低価格ながらも、プロレベルの本格的なレコーディングを実現。ボーカルやギターの録音、ミックスダウン、マスタリング、ラジオ制作やアフレコなど映像用のMAに最適な環境。JR五反田駅から徒歩5分とアクセスも良好。
URBAN FOREST STUDIO お問い合わせ
URBAN FOREST STUDIO公式サイト
品川区東五反田1-8-11シルバープラザ五反田606
TEL:03-6277-3167
受付時間:9:00〜21:00
五反田アーバンフォレストスタジオ

音楽スタジオの中の人に話を聞いてみた〜 URBAN FOREST STUDIO編

このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

URBAN FOREST STUDIOオーナー下田義浩氏

本日は五反田URBAN FOREST STUDIOオーナーの下田義浩さんにお話をお伺いします。オープンの年ならびに経緯をおねがいします。

オープンは2010年8月です。作家、プレイヤーとして制作会社に勤務していましたが、スタジオ代がバカにならないし、自由がきく制作環境が欲しかったので、自分のスタジオを立ち上げました。

現在のURBAN FOREST STUDIOでの業務についておしえてください。

ご覧いただいた通り、マンションの一角にあるコンパクトなスタジオなので、基本は歌もの、ボーカル録音をメインに、バンドの場合は、ほかのスタジオで録ってきてもらったドラムやベースに、ギターのダビング、トラックダウン、それとマスタリングもやります。そのほかに、ナレーション、ラジオ制作、英語の教材アプリ、PV制作もしているので、録音した曲と連動して撮影もできるようになっています。

MAやナレーション録りの需要が増えているという話を聞きます。

すごく多いですよ。五反田周辺には、ゲーム会社やナレーションを必要とする事業をやっている会社が集まっているので。最近のゲームには、声優などのCV録音は必須ですし、さまざまな映像作品でセリフが必要ですからね。数ヶ月単位で録らせていただくこともあります。

音楽制作の現場は依然として厳しい状況がつづいていますが、影響はありますか?

それぞれの現場によるのではないでしょうか。メジャーなレコード会社でも、自社の専用スタジオがなくなったり、製作費が抑えられたりしているみたいですが、逆に、うちのようなコンパクトなスタジオは、その不景気の恩恵を受けているかもしれません。意外とメジャーな方にも使っていただいていて、おかげさまで順調に稼働しています。

スタジオを利用される方は、これまで培われてきた下田さんの人脈によるところが多いのですか?

それもありますが、普通にホームページを見て利用してくださるお客さんも多いですよ。品川駅が近いので、海外のアーティストがネットで調べて、問い合わせしていただくこともあります。驚くような著名アーティストが来てくださることもあります。

みなさんの作品を1ランクアップさせるお手伝い

DTMもPCが進化して、ほとんどの音楽制作が自宅で完結できるようになりましたよね。

そうですね、高価でプロユースだったような音源やエフェクターのプラグイン・ソフトウェアも、バンドルになってかなりの低価格で入手できるようになったので、個人の自宅録音でも相当ハイレベルな音楽が作れます。

そのあたり、スタジオ事業への影響はありませんか?自宅で誰でもできちゃうのではないかと?

ある程度のレベルまでは自宅のPCだけで制作できちゃいますね。でも、その先のあと一歩を求める場合、本物の楽器や、実物のハードウェア機材の深み、充実した音質にはかないません。この先、さらにプラグイン・ソフトウェアが進化していったとしても、絶対に超えられない壁があると思います。

自宅録音のクオリティから、もう一歩ステップアップするのはむずかしそうですね。

まさに、そういった技術を低価格で提供し、手軽にハードウェアの音を手に入れられるスタジオを目指しているところです。みなさんがDTMで作られた作品を1ランクアップさせる、あと一歩、本物のリアリティを感じられる音づくりをサポートする環境がそろっています。

もう少し、具体的に説明していただけますか?

たとえば、マイクプリやコンプレッサーの使い方ひとつで音が変わります。とくに最終工程のマスタリングでは、イコライザーなどのハードウェアの機材を通すことで、プロの品質に押し上げられることもあります。それらのハードウェアには何百万とするものあるので、スタジオを利用していただいたほうが、コスト的にも品質的にもメリットが大きいと思います。

仕上げの段階で、楽曲の数だけ依頼すればよいですからね。

うちではモニターにプロ仕様のTANNOYのSuper Red Monitorを導入していますが、自宅でDTM環境のモニターって、多くの方が「テンエム(YAMAH NS-10TM)」などの小型スピーカーをメインに使っている方が多いじゃないですか。

はい、どのスタジオにも必ずある、あのスピーカーですね。

エンジニア業界の人はみんな知っていることですが、スタジオに設置してある「テンエム」などの小型スピーカーは、リスナーがミニコンポなどの民生機で再生したときに「どのように聴こえるか?」という確認のモニターなんですよ。マニアでないかぎり、プロが使うような高性能なオーディオを持っていませんからね。

ということは、プロ向けの音響機器としては音がよくない?

自宅での再生機としては優れている良い商品ですが、サウンド解像度的に、わずかな息づかいや風の音などを明確に聞き分けるのには向いていません。聴覚上、聞こえている音はもちろん、潜在的なレベルにまで届く音に仕上げるには、どうしても高価なスピーカーが必要になってきます。

なるほど。そういう部分でも、作品の仕上がりに大きな差がでるわけですね。

プラグインやソフトウェアで完成させた場合、どうしても音の質感が平面的になっちゃうんですね。それを、イコライザーなどのハードウェア機器を通して、高解像度の音響システムでしっかりモニターしながら調整します。言葉で説明するのはむずかしいのですが、最終工程からでも、ぐっとプロの品質に押し上げられるというところを、ぜひ体感していただきたいですね。

紆余曲折あったけど、自分のスタジオが持てた

ではつづいて、下田さんの音楽との出会いについておしえてください。

うちは、父親がクラシックの指揮者、母親がピアニストという音楽一家だったので、家にはいつもクラシックが流れていました。

物心つく前から、音楽に囲まれて育ったわけですね。

そうですね。コンサートにもよく連れて行ってくれましたし、幼いころから、音の凄さというか、ゾクゾク感、快感というものを感じていました。

楽器も身近な存在だった?

当然のごとく、ピアノとバイオリンを習っていました。なので、音の良し悪しというのは、小さいころから、なんとなく感覚的にわかっていたような気がしますね。

クラシック以外の音楽に興味をもったのはいつごろですか?

ポピュラー音楽を聴くようになったのは、中学生からですね。ずっと、クラシック一筋でやっていましたが、高校生に入って、バンドを組みました。ピアノをやっていたのでキーボード担当で。高校卒業後は、音楽専門学校に通いました。

音楽業界には、どのような経緯で入られたのですか?

卒業間近というタイミングで、講師にシンコーミュージックを紹介していただきまして、18、19歳くらいにシンコーミュージックで作家として専属契約をしました。

10代で作家デビュー!

本当によかったです。その時のシンコーミュージックの会長さんにもかわいがっていただいて…。作家と並行してプレイヤーとしても活動していて、アーティストのバックで演奏することもありました。でもそのあと、紆余曲折がありましたけどね。

いつだって順風満帆、とはいきませんよね。

そうですね。シンコーミュージックをやめてからも何社かまわっていろいろありましたが、今こうやって、自分のスタジオを持てるようになったのは、ありがたいことだと思っています。

プロの制作現場を渡り歩いてきた経験が、スタジオ運営に活かされているのですね。それでは最後に、URBAN FOREST STUDIOからメッセージをおねがいします。

2017年10月に「八王子FM」という地域ラジオ局を立ち上げました。番組は、このスタジオでも収録していて、8月からプリンセスプリンセスの富田京子さんをパーソナリティに迎えた「富田京子の勝ち抜き!生歌オーディション!」(木曜21:00〜21:40)という新番組がスタートします。

どういった番組ですか?

歌手の方に、このスタジオに来ていただき、一切の修正をせずに生で歌ってもらって1番いいテイクを流す、という音楽番組です。僕が監督をやっています。

修正なしの歌入れは、実力が問われますね。

このスタジオで録音してくれた方は、もれなく、その番組に出演できますので、ぜひ利用していただければと(笑)。もちろん出演は、個々の都合にお任せしますが、歌手の方は、宣伝にもなりますので、よかったらレコーディング後にでもトライしてみては!?

我こそはと思う方、ぜひトライしていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2018年8月)

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