音楽スタジオファイル Vol.46
RECORDING STUDIO ORPHEUS
- RECORDING STUDIO ORPHEUS について
- 6人同時録音が可能な501スタジオ、ボーカル録り、ミックスダウン、マスタリングが出来る502スタジオと各コントロールルームを備えたレコーディング専用フロア。グランドピアノ完備、5ブースを活用しての一発録りはグルーヴ感を重視したジャズバンドに、天井高6mを活かしたダイナミックなドラムサウンドはロックバンドのレコーディングに最適。リハスタとライブハウスも擁するオルフェウスビルは、好きな音をのびのび描ける余白のある空間。様々な音楽ジャンルに精通したエンジニアが音作りをサポートしている。
- RECORDING STUDIO ORPHEUSお問い合わせ
- RECORDING STUDIO ORPHEUS 公式サイト
江戸川区西小岩1-27-16 オルフェウスビル5F
TEL:03-3672-6336
E-mail:recording@orpheusrecords.jp
音楽スタジオの中の人に話を聞いてみた〜 RECORDING STUDIO ORPHEUS 編
このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして、色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
RECORDING STUDIO ORPHEUS チーフエンジニア菅原直人氏
本日は、RECORDING STUDIO ORPHEUS(オルフェウス)チーフエンジニアの菅原直人さんにお話をお伺いします。先月はビル4Fにあるリハスタの「SOUND STUDIO M」を取材させて頂きました。こちらはレコーディング専門のスタジオということですが、オープンの経緯を教えてください。
こちらのオルフェウスビルに移転する前のサウンドスタジオMの時代から、レコーディングは出来る環境はありました。といっても、当時はリハーサルスタジオにレコーディング機材を入れた小規模なもので、2009年のオルフェウスビル竣工を機に、このようなレコーディング専用のスタジオとなりました。
ということは、スタジオMの創立と同時期のオープンなのですね?
はい、入社した時にはすでに(レコーディング出来る環境が)あったので、おそらくそうでしょうね(笑)。僕が入ったのが1995年頃で、その前のことは、詳しくはわかりません(SOUND STUDIO Mの1号店オープンは約36年前の1981年)。
今は大規模な設備を完備していますが、オルフェウスビル竣工をきっかけに、レコーディングスタジオ部分を強化したという感じ?
特にここ(レコーディング)だけを大規模にしようとした訳ではないと思います。以前の建物より広くなったので、リハーサルスタジオも含め全体的に大幅に充実させたという経緯です。実際、以前からは見違えるほどになりました。
レコーディングスタジオの特徴について教えてください。
1番のセールスポイントは、6人で同時録音できる録音環境です。ドラムのあるメインブースの他に、5つのブースが併設されているので、音がかぶらずに同時録音できます。
ジャンル的には、どのようなバンドの方が多いのですか?
ロック系とジャズ系が半々といった感じです。大人の方が多いですね。
6人同時録音できる環境で、ジャズのレコーディングにも最適
ジャズのレコーディング利用が半分というのは特徴的ですね。
そうですね。生ピアノがあって、その上で同時に6人録れる環境が、ジャズ・ミュージシャンのニーズに合うんです。そこは強みだと思います。
一発録りする事で、グルーヴや臨場感をより明確に表現できそうです。
もちろん、利用料金を気にしなければ、こういう環境のスタジオはありますけど、うちのような料金設定でここまで出来るスタジオは、なかなかないと自負しています。
この料金設定で、音かぶりなく同時演奏で録音できるのはポイント高いですよ。
といっても、最近は同時演奏しての一発録りを求める方も少なくなっているので…。一人ひとり別録するスタイルのスタジオは安い所も多いですから、価格だけで他店のスタジオさんと競争するのは難しい部分ではあります。
現在は宅録環境も充実していますからね…。やはり、競争は激しいですか?新しいスタジオのオープンの話もよく聞きますが。
そうですねぇ…、新規オープンする店舗がある一方で、相当なスタジオが閉店していますからスタジオの総数自体は変わらないんじゃないですかね。むしろ、老舗や日本でトップクラスのレコーディングスタジオが閉店しているので、長い目で見ると、業界全体としてはどんどん先細りしているような印象があります。
なるほど、バンドや音楽人口は確実に減っていますからね…。オルフェウスさんでも、そのあたりの影響を感じることは?
レコーディング部門に関しては、このような本格的な設備での運営になったのが、2009年からなので、まだ長期的な変化というのがわかりませんが、リハスタ部門に関しては利用者数が減ってきているように思います。
先月の取材で、リハスタ・マネージャーの落合さんが、若い世代を育てるべく、近隣の学生に指導しているという話を伺いました。レコーディングでもそんなような交流はあるのですか?
ああ、ありますよ。この前も、近くの高校の軽音部が、研修のような形式で録音しました。先生に引率されて、1バンド1曲ずつ録って作品集を制作しました。
落合さんがおっしゃっていた高校ですか?
まさしくそれです(笑)。落合が学校に掛け合ったみたいですが、非常に熱心な先生で、高校から予算を頂いて実現しました。ほかにも、専門学校の卒業制作レコーディング実習もやりました。10バンドくらいで1枚のコンピレーションCDを作成して、卒業時に発表して、父兄の方たちに販売するのだそうです。
前回も思ったのですが、この取り組みはすばらしいですね。良い環境で楽器演奏や音楽制作を体験するというのは、音楽業界の底上げにつながるはずです。スタジオの営業的にも好循環はないですか(笑)?
いやいや、卒業制作なので毎年1回ぐらいですから。でも、もちろんうちも真剣にやらせてもらっていますよ。
高校時代、イカ天が流行って「ああ、僕もこういうのをやるのかなあ」と(笑)
続きまして、菅原さんと音楽の出会いについてお聞かせください。
小学生の頃、ラジオで聴いたオフコースや中島みゆきが最初の出会いになります。「世の中にはこんな音楽があるのか!」と思いました。
小学校でオフコースとは早熟ですね、楽器をはじめたのもその頃?
いいえ、小、中学校の頃までは、僕みたいな普通の人が楽器を持って演奏するなんて想像できませんでしたので、すぐに自分も演奏しようということにはなりませんでした。高校の頃にイカ天(※1989年、TBSで放送された深夜番組『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』)が流行りだして、「ああ、僕もこういうのをやるのかなあ」と思いながら(笑)。
他人事ですか(笑) それで、高校に入ってから(バンド活動を)はじめたのですね。
はい、高校時代、仲のいい友人がギターを始めて、僕もその友人のギターをよく弾かせてもらって、徐々に音楽の道へ入って行きました。
音楽的にはどのあたりのジャンルでしたか?
その頃流行っていたGUNS N' ROSESが一番好きでした。絶対に、このギターをやりたいと思いました。
やはりスラッシュ派?
みなさんガンズといえばスラッシュだと思いますが、僕はイジー・ストラドリンの方が好きです。
菅原さんの音楽性、というか方向性がよくわかる選択ですね。その後の音楽活動は?
音響系の専門学校に通いながらバンド活動に打ち込んでいました。レコーディングを勉強していたので、自分のバンドを録音していました。
当時からプロを目指して活動していたのですか?
そこまで明確にプロを目指していた、という事でもなかったのですが、一時期、バンドをすごく頑張っていた頃があって。CONTACT(コンタクト 2002年〜)というバンドで、メジャーからもリリースして、フジロックのROOKIE A GO-GOにも出演しました。
それはすごいですね! 今もバンド活動はしているのですか?
いいえ、そのCONTACTも、なかなか上手く波に乗れなくてフェイドアウトする形になってしまって、現在はほぼエンジニア業に専念しています。
オルフェウスにはどのようなきっかけで入られたのですか?
バンドをはじめた頃に、前身の「スタジオM」を練習で使っていたので知っていて、バンド活動とエンジニアを両立できる所がないものかと思案していたら、近くというか、条件ぴったりのスタジオを発見したわけです (笑)
菅原さんは小岩出身なのですね。
はい、もう全てが小岩の人間です(笑)。
これからも小岩を引っ張っていって下さい! それでは最後にRECORDING STUDIO ORPHEUSからメッセージをお願いします。
今の時代、多くのレコーディングスタジオがあって、僕でも、どこを選んでいいか迷ってしまうくらいですが、「同時録音」や「一発録り」をお考えの方は、6人同時録音もできる当スタジを是非ご利用下さい。
「6人同時録音はRECORDING STUDIO ORPHEUS!」ワタクシからもアナウンスさせて頂きます。本日はありがとうございました。(※オルフェウスビル2Fのライブシアター「オルフェウス」と4Fリハスタの「SOUND STUDIO M」のインタビューもぜひ御覧ください)
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