音楽スタジオファイル Vol.28

下高井戸 G-ROKS

G-ROKS下高井戸スタジオ について
下高井戸のコルグ本社跡(現在は稲城市に移転)に2005年12月オープン。新宿から京王線で約10分、甲州街道に面したアクセス抜群の立地にあり、感性を刺激するラグジュアリーな空間と贅沢な機材ラインナップで、音楽と音楽プレイヤーの未来をインスパイアするKORG直営リハーサルスタジオ。プロのリハ・ゲネプロ御用達の70帖をはじめ、ヴィンテージ名機を揃えた80's Room、専用バルコニー・ラウンジ付きでアマチュアバンドにも人気の17帖など全5部屋を完備。
G-ROKS下高井戸スタジオ お問い合わせ
G-ROKS公式サイト
杉並区下高井戸1-15-12
TEL:03-3325-3311
FAX:03-3325-9990

リハスタの中の人に話を聞いてみた〜 G-ROKS下高井戸スタジオ編

このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。

G-ROKS 音楽スタジオ部係長/スタジオマネージャー 大澤康祐氏

本日は電子楽器メーカKORG直営スタジオG-ROKSのスタジオマネージャー大澤さんにお話をお伺いします。まずは社名の由来、設立の経緯から教えてください。

社名は「KORG」の表記を逆にして「S」を付けて「G-ROKS」、ジーロックスと読みます。英語表記だと、「C」を入れちゃって「ROCK」と間違えられる方が多いですが(笑)、ロックンロールのROCKではなく、KORGの逆表記のG-ROKSと覚えていただきたいです。

そのKORGさん とはどのような関係でしょうか。KORG本社は移転していますよね?

KORG本社は2004年に稲城市のよみうりランドの方に移転しました。その際に「ここ(のビルが)空いちゃうから何かやりたい人いない?」という話があって、今のうちの代表が「音楽スタジオにしましょう」とプレゼンをしたのがこのスタジオの始まりです。2005年12月に広い部屋だけ先行してオープンしました。

会社自体元々はKORGではなかったのですね。

はい、前はKORGとは別のブロードハンズという別の会社でした。KORGとは設立以前から関係があって、このスタジオオープン時からKORGと一緒に経営することになりました。

リハーサルスタジオ以前の業務内容について教えて下さい。

プロ向けのレコーディングスタジオで使う大型のミキシングコンソールの修理を専門に、ProToolsなどのデジタルレコーディング機器導入など、レコーディングスタジオさん向けの事業を色々やっていました。

そこから、リハーサルスタジオへ業務転換したのですね。スタジオに関する知識というのはあったのですか?

音響機器の修理だったので、音響系に関することは自信ありました。楽器そのものは専門ではなかったので、そのあたりはKORGの協力が大きいですね。

機材は珍しい物がそろっていますね。黄色いキーボードなど初めて見ました。おしゃれでカッコいい。

あれはフェンダー・ローズスチューデントモデルですね。おそらく、教育機関で使われていた物じゃないかと思われます。かっこいいですよね。

次にスタジオのことについて教えて下さい。大部屋のSTUDIO1をはじめ、リハーサルスタジオとしてはとても豪華ですね。

よく言っていただきます(笑)。70帖(STUDIO1)、30帖(STUDIO2)の広いスタジオはプロシューマー向けになります。設立当時、この広さのスタジオは都心に近い場所には少なかったので、ここ下高井戸に、アマチュアの方にも利用頂ける通常のリハーサルスタジオと、プロ向けの中規模なスタジオが両方あるスタジオを作ってみようということでした。

利用客層としてはどのような感じですか?やはりプロの利用が多いですか?

そうですね、とくに最初の頃は外観や内装から、プロ向けって印象を持たれちゃって、なかなか一般の方に来ていただけなかったんですけど。今はプロ:アマチュア=6:4の割合でご利用頂いています。

部屋の内装やデザインにも相当なこだわりを感じます。

モダンなデザインの中にも、壁には古くから日本で使用されている・・・伝統的な材である珪藻土を採用したり、「エージング」「美しい経年劣化」などを意識した箇所があったりと、いろいろと面白いこだわりがありますね。以前はアットホームな雰囲気だったのですが、一気にクールなイメージに・・・あ、スタッフはアットホームなままですので、気楽にいらっしゃってください! スタッフのリニューアルは無いハズです(笑)。

リハーサルスタジオとしては、ライブな(音が響く)作り

スタジオのサウンド面で他店と差別化している部分はありますか?

リハーサルスタジオとしては、ライブ(音が響くよう)に作りました。練習スタジオなんだからデッド(音が響かない)な方が良い、という方もいるとは思いますが、「珍しく響くスタジオだね」と気に入っていただける方もいます。

僕も鳴りの良いスタジオの方が好きです。

演奏していて気持ちいいけど、人によっては何やってるかわからない、という人もいます。でも、それがうちの特色かなって思います。1番広い1スタは、ドラマーなら1発叩けば「気持ちいい!」と感じると思います。

その鳴りを活かしてレコーディング等も出来るのでしょうか。

基本はリハーサルスタジオなので録音機材等は用意していませんが、ポータブルなものでもレコーダーを持ち込んで録音すれば、オフマイクの感じがデッドなスタジオと全然違いますよ。僕も個人の趣味でレコーダーを持って来て、1スタでドラムなどを録音するのですがとても良い感じです。

スタジオの鳴りといえば、この企画でもよく名前が上がる吉祥寺のGOK SOUNDさんが有名ですね。

GOKさんはアナログにもこだわって、「GOKならではの音」を追求していますよね。本当に凄いスタジオだと思います。

では次に、大澤さんと音楽との出会い、この業界に入るキッカケを教えてください。

最初に音楽を意識したのは12、13歳くらいですかね、姉の影響で音楽を聴き始めてユニコーンなどを聴いていました。その頃、何となくギターも始めました。中学後半ぐらいから、洋楽に興味が移ってモトリー・クルーなどを通り、そこからヘビメタです(笑)。1番好きなバンドはメタリカです。

実は僕もメタリカが最も好きなバンドです(笑)。後天的ではありますが…。

メタリカブラックアルバムの頃のレコーディング風景映像をVHSか何かで見て、「こういう風にCDって作っているんだ~…」と感動して、録音というものに興味を持ちました。まだ職業としてPAやエンジニアをやるという意識まではありませんでしたが。

ブラックアルバムのキックの音を聴いて録音に興味をもった

メタリカのブラックアルバムのプロデューサーはボブ・ロック師匠ですね。

そうですね、ブラックアルバムのキックの音を聴いて「このキックの音はどう作るんだ!?」みたいな(笑)。プロデューサーではリックルービンも好きです。影響を受けたって程ではなく、ただ好きでしたね。ファンみたいなものです。

高校ではバンド活動をやっていたんですか?

はい、みんなと同じようにバンド活動してました。でも、特に音楽の道を目指そうとかもなかったのですが、ただ東京に来たかったので、理由として音響の専門学校に行かせてくれと親に頼んで上京したわけです(笑)。でも、ろくに勉強もせず、バンドばっかりしてましたが(笑)。

音響専門学校からこの業界に入ったのですね。就職活動のようなことはしたのですか?

就職活動してないんですよ(笑)。専門学校の校内にスタジオのバイト求人がよく出ていたので、その中にあったレコーディングスタジオでバイトをしていました。まあ、そこは一風変わった、というか珍しいスタジオだったのですが。

珍しいスタジオ?

普通のスタジオではアシスタントエンジニアが、掃除や準備などをやるんですけど、そのスタジオでは、技術面は一切やらずに、掃除や他サービスだけを専門とするポジションのスタッフがあるシステムで(笑)。そのスタジオで営業社員として働いていたのが、今のG-ROKSの代表だったんです。

その方が、のちに会社の代表になられた経緯でスカウトされた?

そうですね。僕は、そこでのバイトは辞めていたんですけど、何年か経った後に代表から「暇してる?スタジオ作るから来ない?」みたいな感じで、いつの間にかここにいる感じです。

大きなスタジオなのに、良い感じに緩いですね(笑)。

全部、運で何となく来たようなものなので(笑)。

STUDIO1(70帖)はスタジオライブでも利用可能

今や、スタジオマネージャーですからね。このスタジオでは大澤さんのスキルや経験が活かされているのですね。

気付いたら自分しかいなかったので、このような役職を頂いております(笑)。自分は何か一つの専門ではないけど、スタジオ全般について浅~く広~くわかる、そんな存在なので。まあ、この職場には諸々の条件が合致したのかもしれない(笑)。

それでは最後の質問になります。メッセージをお願いいたします。

STUDIO1(70帖)のイメージが強くプロ向けスタジオと思われている方もいるかもしれませんが、17帖のスタジオも2部屋あります。1時間2,500~3,000円くらいで、楽器セットもありますので、プロ・アマ問わずバンドの練習に利用して頂きたいです。STUDIO1もプロ利用だけに限定はしていません。例えばセッションパーティやスタジオライブのような使い方をしていただいても構いません。まずは、ぜひ見学だけでもお越しください。

このスタジオ全体の美しさは一見の価値があります。

あ、それと最後に「怖いスタジオじゃないですよ!」って書いといてください。と言うと余計に怖いかもですけど(笑)。スタジオって敷居が高く、怖いイメージを持たれている方がいると思うんですけど、怖いお兄さんなどもいない、やさしいスタッフがお待ちしています!

大澤さんのお写真でも十分に伝わると思います(笑)。本日はありがとうございました。

G-ROKS下について詳しくはG-ROKS公式サイト、新着情報は@GROKSstudioをフォロー。

インタビュー&ライター 浅井陽 BLOG / Twitter(取材日 2016年6月)

過去のインタビュー記事はこちら

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下高井戸(桜上水駅〜下高井戸駅)
甲州街道の宿場町として栄え、新宿からの「京王線」、三軒茶屋からの路面電車「東急世田谷線」が乗り入れる利便性と住環境に優れたエリア。世田谷区と杉並区の区境にあり、桜並木と自然に囲まれた閑静な住宅街と日大キャンバスなどの教育施設、人情味あふれる商店街を中心に、毎年「しもたか大さくら祭り」「しもたか音楽祭」など地域に根ざしたイベントが盛大に催される。
KORG(株式会社コルグ)
1963年創業。国内でいち早くシンセサイザーやリズムマシンの開発を手がけ、国内外のミュージシャンや音楽ファンから支持を得てきた日本の電子楽器メーカー。東京・稲城市(京王よみうりランド徒歩1分)に本社ショールームを構え、杉並区下高井戸(旧本社跡)に「G-ROKS下高井戸スタジオ」、名古屋に「KORG STUDIO EXTREME」の直営リハーサルスタジオを運営。
MS-20(KORGの銘器)
1978年に発売されたアナログシンセサイザー。モノフォニックながらハイパスフィルターにもレゾナンスが可能で独特の音が作れる。アマチュアでも手の届く値段設定で大ベストセラーとなった。90年代後半のテクノブームの際も再評価され、2013年には当時の機能をそのまま86%ミニサイズにしたMS-20 miniが発売された。日本を代表する国産アナログシンセの一台。
M1(KORGの銘器)
1988年に発売されたデジタルシンセサイザー、ワークステーション。音楽制作の現場にKORGの存在感を示した歴史的な機種。8トラックシーケンサーやデジタルエフェクターを内蔵して、1台で本格的な音楽制作が完結できる。PCM音源によるリアルで深みのある音色で、中でも「M1 Piano」はジャンルを超えて一斉を風靡。
TRINITY/TRITON(KORGの銘器)
1995年から発売されたミュージックワークステーション。95年登場したTRINTYは、音色のクオリティーが劇的に向上しただけでなく、当時としては画期的な320x240のタッチパネルが装備されたシルバーのボディで未来を感じさせるシンセだった。99年に発売された後継機種TRITONでは機能面では究極といえるところまで高まり、多くのプロアーティストにも愛された。
KRONOS
2011年から発売されている超ハイテク、究極のミュージックワークステーションシリーズ。大容量SSDによる超ロングサンプル音源と、800x600の大型のカラー液晶ディスプレイ、エフェクト、サンプリングやオーディオ録音機能で音楽制作を追求できる一方、楽器としての質感もとことんこだわり、74Key以上のモデルでは本物のピアノのような感覚の鍵盤を配置されている。
volcaシリーズ
2013年から発売されている、Kesy(主にリード用)、Bass(ベース)、Beats(リズム)の3機種からなるシーケンサー内蔵アナログシンセーシリーズ。KORG特有の強力極太アナログシンセ部分と、直感で遊べるループシーケンサーからなる。テクノブーム以降大量に登場したTB-303クローン楽器に対するKORGの最終回答ともいえるこのシリーズは、古くて新しいたのしい楽器。
メタリカ・ブラックアルバム
1991年にメタリカがリリースした5枚目のオリジナルアルバム「Metallica」の通称。メタリカ初のビルボード1位を確立した作品で、メタリカを名実共に世界一のメタルバンドを決定づけたアルバム。現在までに全世界で3,000万枚近く売り上げている。1曲目Enter SandmanはMaster of Puppetsに並びバンドを代表するナンバーである。
ボブ・ロック
カナダのプロデューサー・エンジニア。1989年にボブが手がけたモトリー・クルーのアルバム「Dr.Feelgood」のタイトルナンバーのイントロの迫力を聞いた、ラーズ(Dr)らメタリカメンバーが、プロデューサーに抜擢してリリースされたのが「ブラックアルバム」である。ボブ・ロックとは「St. Anger」まで全4作と制作をともにし、メタリカの映像作品「メタリカ-真実の瞬間」等で、レコーディングでの重要な役割を確認できる。